大浴場にデジタルアート設置:クロスライフ博多天神 × Yuri Mizokami
マッチング事例
Artist Cafe Fukuoka(以下、ACF)では、アーティストの活動支援の一環として、企業や地域からの相談を受け、最適なアーティストを紹介する「マッチング(コーディネート)事業」を行っています。
クロスライフ博多天神 × Artist Cafe Fukuoka
ー 大浴場のスクリーンを“体験型アート”へ ー
今回は、福岡・春吉にあるライフスタイルホテル「クロスライフ博多天神」様よりご相談をいただき、福岡を拠点に活動する映像作家・Yuri Mizokamiさん( @yurimizokami )をご紹介し、コラボレーションが実現しました。
ホテルの大浴場という特殊な空間のために制作したアート作品の制作・設置事例をご紹介します。
■ ご相談の経緯
福岡・天神エリアに位置するクロスライフ博多天神さまは、地域とのつながりやアートを大切にされているホテルです。
今回ご相談いただいたのは、宿泊者専用の大浴場に設置された大型スクリーンの活用について。
「一日の終わりを締めくくる入浴時間を、より価値あるリラクゼーション体験へと高めたい」
この想いから、単なる映像投影ではなく、“空間全体を包み込むアート体験”を実現したいというご要望でした。
さらに印象的だったのは、「地域貢献の観点から、福岡ゆかりのアーティストに依頼したい」というご希望です。
ACFでは、この想いを起点に、最適なアーティストの検討を行いました。
■ アーティストのマッチング
ACFよりご提案したのは、映像と音楽の双方を自身で手掛けるアーティスト・Yuri Mizokamiさん。
Mizokamiさんの作品は、カラフルでありながら静謐さを感じさせる色彩感覚と、既存の枠にとらわれない立体的な映像構成が特徴です。
繊細な感性、3D表現による没入感、自身で制作する音楽との一体性。
これらが、ホテル側の求める「新しい癒しの形」 と高い親和性を持ち、制作依頼へと至りました。



完成したのは、「ナチュラル・ヒーリング」をテーマにした約15分間の3D映像作品。
制作のインスピレーション源となったのは、Mizokamiさんが北欧・フィンランドに滞在した際の実体験です。
映像について、湯船に浸かりながら“ぼんやり眺める”ことを前提に設計。
あえて解像度を上げすぎず、粒子が溶け合うような質感を重視し、水面のゆらぎと映像が共鳴するビジュアル構成に。
その結果、自分と世界の境界が溶けていくような没入感を生み出しています。
また、音楽もMizokamiさん自身が制作しています。
フィンランドで収集した環境音(フィールドレコーディング)、イタリア・シチリア島の教会で耳にした歌声や、水が跳ねるような自然なリズム構成など。
ドラムのような強いビートではなく、水が跳ねるような自然なリズムで構成されています。



■ 企業担当者コメント:クロスライフ博多天神 矢野こころ さん
就寝前のリラックスタイムとなる1日の疲れを癒す大浴場の演出として、暗すぎずポップすぎない、絶妙な心地よさを体感できる映像と音楽を求めていました。
Mizokamiさんの作品は、博多の都心にいながら自然に抱かれるような、幻想的で新しい癒しの空間を実現してくださいました。
■ ACF提案アーティストコメント:Yuri Mizokami さん
3ヶ月滞在したフィンランドでの情景を15分の映像と音楽の中に表しました。
移ろい行く時間の経過、静かな湖に映る反転した空と豊かな水のきらめき、森を抜ける風、闇が深く長い夜、その遠い星の光。
リズムのなかで繰り返される移ろいを柔らかく幻想的に表現しています。
ぜひ湯船に浸かりながらリラックスしていろんな方にご覧いただけたら嬉しいです。
◾️ 作品概要
会期|2026年2月〜
会場|クロスライフ博多天神(福岡市中央区春吉3丁目)
作家|Yuri Mizokami
コーディネート|Artist Cafe Fukuoka
▶︎ ACFで開催したYuri Mizokami さんの初個展
「Twilight」開催レポート
■ 企業とアーティストの新しい接点へ
私たちArtist Cafe Fukuoka(ACF)は、アーティストが地域や社会とつながり、表現の場を広げていく取り組みの一環として、企業や団体との協働の機会づくりを行っています。
企業が抱える課題やテーマを丁寧に読み解き、アートの視点から新たな可能性を探るプロセスを大切にしています。
アーティストとの協働に関心をお持ちの企業の皆さまへ。
「アートを取り入れてみたいが、何から始めればよいかわからない」
そのような段階からでも、目的や状況に応じて、協働の可能性をご提案しています。
本事例では、ホテルの大浴場という日常的な空間を舞台に、アーティストとの協働を実施しました。
その結果、地域のアーティストが企業の空間価値を拡張する創造的パートナーとなり、空間の新たな活用の可能性を提示する取り組みとなりました。
ACFはこれからも、福岡の企業とアーティストが出会い、それぞれの視点や価値を持ち寄る機会をつくっていきます。
そうした対話と協働の積み重ねを通じて、地域に新たな創造や関係性が広がっていくことを目指しています。


