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【レポート】ミテコレ展 / MITE COLLE Exhibition

2025.08.11

レポート

2025年5月29日(木)から6月29日(日)にわたり、Artist Cafe Fukuoka主催の展示「ミテコレ展 / MITE COLLE Exhibition」をArtist Cafe Fukuokaコミュニティスペースで開催いたしました。

本展示について

福岡市のアーティスト成長・交流拠点「Artist Cafe Fukuoka」は2025年4月より新体制で再始動いたしました。私たちが目指すのは、アーティストが創作活動を継続・拡充できる環境づくりに加え、アート関係者や市民、企業、教育機関、行政などこの場所を起点に福岡から、九州、日本、アジアとつながる環境づくりです。その取り組みの一つとして、アーティストの作品を買って支えるコレクターの拡大も重要な柱として位置付けています。

このたび、そのファーストステップとして、Artist Cafe Fukuokaディレクター陣のファーストコレクションとピックアップコレクションをご紹介いたします。ディレクターそれぞれも作品を購入してコレクターになった瞬間があります。どのようにアーティストと出会い、作品のどこに魅せられたのか。作家や作品との出会いにまつわるエピソードを通じて、皆さまにアートと出会い、購入することから始まる体験の喜びを少しでも感じていただける機会となることを願っています。

今後も年間を通じてコミュニティスペース・ギャラリーでのコレクション展の開催や様々なイベントを企画し、アート作品の購入をより身近に感じていただける機会を創出してまいります。これらの活動を通じて、Artist Cafe Fukuokaはアーティストとまち、そして社会をつなぐ架け橋としての役割を果たしてまいります。

展示作品紹介

コレクター:吉田大作(ACFディレクター)

  • プロフィール
    1976年山口県生まれ。京都芸術大学プロダクトデザイン学科クロステックデザインコース准教授。株式会社クロステック・マネジメント代表取締役。

品川亮 「simplification」

  • プロフィール
    1994年大阪府生まれ。京都造形芸術大学大学院修了。気配や痕跡をテーマにした抽象絵画を制作。色面と線、余白のバランスを通じて、見えない存在を可視化するような作品が特徴。
  • コレクターコメント
    作品の魅力はもちろん、作品の背景の物語に惹かれ購入した作品です。イタリアの美術が好きでその地を訪れた品川氏は、その場で欧州のアーティストたちに言われた一言から、自身の表現を見つめ直したというエピソードを聞きました。優れた芸術作品には、その国の文化や歴史が表れています。日本人の自身の表現は何かと考えたときに、狩野派や琳派などの技法や歴史に立ち戻ったことから生まれたこの作品を見ながら、私自身も多くのことを考える機会になっています。

佐竹龍蔵 「Untitled」

  • プロフィール
  • 1987年大阪府生まれ。京都を拠点に活動。 日本画を学びながら、イタリア滞在やスイスでの留学など海外でも研修を行う。 東洋の絵画、文化的な歴史を再考しながら、現代における新しい絵画の可能性を拡張することに挑戦。掛け軸や襖絵などの伝統的な様式から現代の建築空間まで、幅広い表現をつくり出すことに積極的に取り組みながら「絵画とは何か」を問いかけている。
  • コレクターコメント
    アーティスト本人をよく知っているからこそ、その人とその背景にある物語も含めて購入しました。この当時に佐竹氏が制作を重ねていたシリーズが気に入っていて、そのタイミングで見つけた一点です。薄く色相を塗り重ねることで描かれた作品は、描かれている自分の感情が曖昧で、その作品を観る時の鑑賞者の感情を反映しているように思い、日々鏡を観るような形でこの作品と向き合っています。

haru nomura 「あたたかなきもち」

  • プロフィール
    植物染料を用いたバッグやプロダクトを制作する作家。京都を拠点に、自然素材と手仕事の温もりを大切にした作品づくりを行う。近年はアートと生活をつなぐ展示やコラムも展開している。
  • コレクターコメント
    「作品を買うということは、そのアーティスト(もしくはなろうと挑戦している人)を応援すること」と一番最初に感じさせてくれた作品です。本作品は、彼女のふるさと長野に仕事で訪れた時、偶然そこで展示されていて、その場で購入しました。「もし、そこに訪れなかったら出会うことはなかったかもしれない」そうした出会いのタイミングで購入を決断することも重要なのかもしれません。今では、haruka nomuraとして大活躍している彼女の最初期の作品を手にできていることを幸せに感じています。

コレクター:家入一真(ACFディレクター)

  • プロフィール
    1978年福岡県生まれ。連続起業家・投資家・クリエイター。2003年に株式会社paperboy&co.(現GMOペパボ)を創業。その後、「CAMPFIRE」や「BASE」の共同創業、ベンチャーキャピタル「NOW」の設立など、多岐にわたる事業を展開。

梅沢和木「我謝グラジオス」

  • プロフィール
    1985年 埼玉生まれ 埼玉在住。武蔵野美術大学造形学部映像学科卒業。cashi所属。

浦川大志(左から順に)「壁のある風景」「thumbnail」「fragment」「fragment」「fragment thumbnail」「壁のある風景」

  • プロフィール
    1994年福岡県生まれ、2017年九州産業大学芸術学部卒業。ゲームやGoogleマップの空間描写の方法を参照した空間構成、Photoshopやペイントソフトなどのデジタル的な筆致が特徴。
  • コレクターコメント
    梅沢さんのことは、ネット上で以前から知っていたのですが、インターネットに落ちている画像やネットミームをぐちゃぐちゃにミックスして作品にしていく感じが、まさにインターネット時代の象徴のようで、惹かれていました。 この作品は、アニメキャラの目が中央に重なっているような表現でこちらが作品を見ているはずなのに、まるで作品に見られている感覚になり、その違和感が気に入っています。

    浦川くんの作品は「アートフェアアジア福岡」で購入しました。あとで知ったのですが、地元が近かったこともあり親近感がありました。彼の作品も、インターネット上にある画像を題材にしていたり、デジタル的な表現も含めて、すごく好きでコレクションしました。 アートをコレクションするというのは、「その時代を切り取って所有する」という感覚があるので、時代性を感じられる作品、特に今の時代を表現している作品に惹かれます。 生きていて、問いを投げられる瞬間ってなかなか少ないですが、長い時間過ごす場所でこそ、そういう瞬間を提供できたらなと、オフィスにもアートを飾っています。社員や来客が作品に触れる中で「これは何を表現しているんだろう」とか、それぞれが感じるものがあればいいなと思っています。

    自分で作品を買い始めたのは割と最近で、それまでは、表現者に対しての憧れと同時に劣等感もあり、ギャラリーなどに行くことはあっても、購入には踏み切れませんでした。30代後半になってようやく自分の中で、ビジネスをやっていることも表現のひとつだと思えるようになり、そこから、「今の自分にできる表現の支え方があるのでは」と、アートを買うようになりました。 最初は小さな作品でも、値段が安くても、リビングに飾りたいとか小さなきっかけでも、まずは作品を買ってみたらいいと思います。部屋に飾ってみたら気分が変わったり、次はこの作品の横にこんなのを置きたいなとか。こうじゃなきゃダメだとかは一切なくて、大切なのは、その作品を「所有してみてどう感じるか」だと思います。

コレクター:小笠原治(ACFシニアフェロー)

  • プロフィール
    1971年京都市生まれ。さくらインターネット共同ファウンダーを経て、ネット系企業の代表を歴任。2011年にnomadを設立しスタートアップ支援事業を、2013年にABBALabとして投資事業を開始。2017年、京都芸術大学教授、mercari R4Dのシニア・フェローに就任。

岡崎実央「ムーンサルト・プレス」

  • プロフィール
    1995年、北海道札幌市生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科を卒業。プロレスをモチーフとした作品を多く制作。現在は、リングの周りを囲む観客それぞれから見たプロレスというエンターテインメントをピカソやブラックが発展させたキュビズム(様々な角度から見た対象の形を一つの画面に収める技法)で表現している。

小谷くるみ「sunset」

  • プロフィール
    1994年大阪府生まれ。京都造形芸術大学大学院修了。気配や痕跡をテーマにした抽象絵画を制作。色面と線、余白のバランスを通じて、見えない存在を可視化するような作品が特徴。
  • コレクターコメント
    最初に作品を買ったのは、大学で関わっていたプロジェクトでアルトテック(*1)に顔を出したときでした。椿さん(*2)の席の奥に、ぽつんと飾られていた一枚を見て、「これ、買えるんや」って思ったんですよね。高すぎるわけでもなくて、自分の楽しみとして買える、ちょうどいい距離感でした。「この一枚買ったら、次の一枚描いてくれるかな?」という感覚でした。それが、小谷さんの作品でした。
    岡崎さんの作品は、アートフェアアジア福岡で。福岡で初めて買った作品です。福岡で新たに部屋を借りたタイミングだったので、この作品を置き出してから、他にも複数、作品を置くようになりました。
    ただ、自身は「コレクター」という感覚はあんまりないんです。誰か特定の作家を応援したいというよりは、アーティストという“役割(ロール)”が社会の中で存在できるようになればいいなと思っていて。ゲームで言うと、戦士・魔法使い・僧侶・・・というロールがあって「僧侶が僧侶として、社会の中でちゃんと機能してほしい」みたいな感じです。

    *1 京都芸術大学内にあるコマーシャルギャラリーの機能をもつスペース。(https://www.kyoto-art.ac.jp/info/institution/artotheque/)
    *2 椿昇、現代美術作家。京都芸術大学美術工芸学科特別教授。卒展のアートフェア化、内需マーケット育成のためにアルトテックを創設。

コレクター井上雅也(ACFディレクター)

  • プロフィール
    1990年東京都生まれ。アート領域を軸にDXからアートフェアの運営、アートの社会実装まで全国で幅広く手掛ける。福岡は第二の故郷。株式会社TODOROKI 代表取締役、一般社団法人アートフェアアジア福岡 理事、一般財団法人九州美術振興財団 理事

田部光子「林檎物語ーきみのためのバラー」

  • プロフィール
    1933年、日本統治下の台湾に生まれる。1946年福岡に引き揚げ、絵画を独学し、「九州派」の主要メンバーとして活動。その後も福岡の美術界だけでなく、女性たちをも牽引した。同時代の社会の動きに敏感に反応し制作した《プラカード》や非常に早い時期に発表されたフェミニズム・アートとして近年注目を集める《人工胎盤》をはじめ、実体験と日々の思考から生まれた作品は、今も観る者に強く訴えかける。
  • コレクターコメント
    2022年、福岡市美術館の田部光子展を見たとき、女性として生きる上での問題提起と、一人の人間として幸せに生きたいという素直な部分のバランス感覚に、強く感銘を受けました。 その後、ギャラリーでこの作品に出会ったとき、妙に惹かれ、思わずコレクションしてしまいました。アーティストの思考に触れて、心が揺さぶられ、自分の考えがアップデートされる感覚が、現代アートの醍醐味です。作品をコレクションするということは、アーティストの哲学をコレクションすると同時に、自分の哲学のアップデートの記録にもなっているので、おもしろいなと思っています。

池田智「Golden Time」

  • プロフィール
    1980年佐賀県多久市生まれ。幼少期より親しんできた漫画、アニメに影響を受け、それらの手法を独自に用い、自身の特色である「線」を追求している。 微細な個を集積させてひとつの個を描くスタイルが特徴。ユーモアと構成美を兼ね備えた作風で、アートとポップカルチャーの架け橋として注目されている。
  • コレクターコメント
    アートフェアアジア福岡2019で購入。ファーストコレクション。 なにか青春的な懐かしさを感じつつも、同時に寂しさも感じるところが、なにか胸にぎゅっときます。「買います」って言うのにかなり緊張し、言ったあとはかなり高揚したのを覚えています。 その後はコレクションするのにハードルも低くなり、毎年良い作品に出会ったら迎え入れています。最初にアート作品を買ったあの瞬間を今も忘れないように、普段から目に入るところに飾っています。

開催概要

名称 ミテコレ展 / MITE COLLE Exhibition
期間 2025年5月29日(木)〜6月29日(日)
時間 11:00 – 19:00
場所 コミュニティスペース
料金 入場無料
主催 Artist Cafe Fukuoka

[アーティスト] ※五十音順
池田智、梅沢和木、浦川大志、岡崎実央、小谷くるみ、佐竹龍蔵、品川亮、田部光子、haru nomura

[コレクター]
家入一真、井上雅也、吉田大作(ACF ディレクター)、小笠原治(ACF シニアフェロー)

OUTLINE
名称

ミテコレ展 / MITE COLLE Exhibition

期間

2025年5月29日(木)〜6月29日(日)
*月曜休館

時間

11:00 - 19:00

場所

コミュニティスペース

料金

入場無料

主催
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