2025年10月29日（水）から11月3日（月・祝）にわたり、釜山美術協会・Artist Cafe Fukuokaの主催によるアジア同時代の現代美術交流展「日常の転換 in 福岡」を開催いたしました。

開催概要

アジア同時代の現代美術交流展「日常の転換 in 福岡」
아시아 동시대 현대미술 교류전　”일상의 전환 in 후쿠오카”
Asian Contemporary Art Exchange Exhibition　”Changes in daily life in Fukuoka”

会期　2025年10月29日（水）〜11月3日（月・祝）
時間　11:00〜19:00　※最終日3日（月・祝）は17:00まで
場所　ギャラリー
料金　入場無料
主催　釜山美術協会・Artist Cafe Fukuoka

展覧会の意義

本展覧会は、単なる作品展示にとどまらず、以下の点において東アジアの現代美術シーンに重要な役割を果たしました。

1. 国際交流と相互理解

地理的にも文化的にも関係性の深い福岡と釜山が、美術を通じて対話する場を提供しました。釜山美術協会に所属する6名の作家による作品展示を通じ、異なる歴史と文化を背景に持ちながらも、同時代を生きる私たちが共有する普遍的な表現テーマへの接近が可能になりました。

2. 伝統と現代の対話

「韓国における絵画」という伝統的表現形式の中に現代性を見出す問い掛けを通じ、世代を超えた6名の作家たちの多様な表現世界が展開されました。刻々と変わる時代の中で描かれる風景、幾重にも重ねられた伝統と現代の表現が、来場者に深い思索の機会をもたらしました。

3. 東アジアのアートネットワーク構築

「海を越えたアートの絆が、新たな創造を生み出す」というコンセプトの下、福岡とアジア地域との文化創造拠点としての Artist Cafe Fukuoka の存在意義を実証し、今後のアジアンコンテンポラリーアート交流の基盤を構築しました。

関連プログラム：ACFアカデミー「福岡アートネットワーク・デー」

11月1日（土）16:00～18:00、展覧会に連携する特別講座を開催いたしました。

1. 開催内容

テーマ：「アジア同時代の現代美術交流ー釜山美術協会理事長と釜山市立美術館学芸室長と語るアジア・韓国・福岡」

ゲスト（敬称略）：
・釜山美術協会 チェ・ジャンラク（CHOI JANGRAK）理事長
・釜山市立美術館 チョン・ジョンヒョ（CHEONG JONG HYO）学芸室長

2. 講座で取り上げられた主要テーマ

1. 釜山美術協会の活動
2. 韓国のアートの現在
3. ソウルと釜山のアートの地域性
4. 福岡と釜山の連携の未来について

3. 特別企画

釜山美術協会による展示作品の解説ツアーを同時開催。

出展作家のうち
・釜山美術協会 キム・ミスク（KIM MI SOOK）副理事長
・釜山美術協会 チョン・サンジ（CHUNG SANG JI）
のお二人が、実際の作品を前に、自作についての解説を行い、韓国アートの「今」を体感できる機会が提供されしました。

展覧会から得られた成果

1. 多角的な来場者層の開拓

国際的なアート交流やコラボレーションに関心のある層、韓国のアートシーンへの理解を深めたい層、さらには福岡の文化創造拠点としての Artist Cafe Fukuoka に関心を寄せるアート関係者など、多角的な来場者の来館が実現されました。

2. アジア同時代の表現への問い掛け

「日常の転換」というテーマの下、伝統と現代、個と普遍、ローカルとグローバルといった対立軸が、実は、二項対立ではなく、連続性と多層性の中にあることを来場者に示唆されました。

3. 福岡のアート拠点化への貢献

福岡の文化創造拠点として Artist Cafe Fukuoka がアジアのアートネットワーク構築に果たす役割への期待が寄せられました。

今後への展開

本展覧会を通じて構築された釜山美術協会との交流の基盤は、今後のアジア現代美術交流の契機となり、そこから新たな交流のモデルが構築されることが期待されます。

• 継続的な相互交流プログラムの展開
• アジア地域の他都市美術団体との連携の可能性
• ACFアカデミーのプログラム拡充を通じたアート教育・研修機会の創出
• ビジネスとアートの融合を通じた新たな創造的価値の生成

結び

地理的にも文化的にも関係性の深い都市、釜山と福岡。このたび、海を越えたアートの絆が、福岡で新たな創造と対話を生み出す場となることを願い、アジア同時代の現代美術交流展「日常の転換 in 福岡」が開催されました。

本展覧会が、単なる一時的なイベントにとどまらず、福岡とアジア地域の持続的な文化交流の基盤となり、東アジアの現代美術シーンが今後直面する課題と可能性に対する、より深い思索と創造の契機となることを確信いたします。

多くのご来場いただきました来場者の皆様、そして釜山美術協会の関係者の皆様に、深く感謝申し上げます。